薬剤師の年収は低すぎる?現実は高い人も低い人もいます

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薬剤師の年収は低すぎる?という疑問を持つ方も多いかと思います。実際はどの業種でもそうですが、高い人もいれば低い人もいます。

薬剤師になるためには大学の6年制薬学部を卒業する必要があり、その努力や投資が報われるのか疑問に思う方もいるでしょう。

この記事では、そんな薬剤師の年収の実態について薬剤師経験25年の薬剤師社長が詳しく解説しています。

記事のポイント
  • 薬剤師の年収の実態とその要因
  • 年収を左右する主な要因や条件
  • 薬剤師としてのキャリアの選択肢とその影響
  • 年収を上げるための方法やスキルアップの方法
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目次

薬剤師の年収は本当に低すぎるのか?

薬剤師の年収は低いという声を聞くことがあります。一方高すぎるという声も聞きます。

しかし、実際のところはどうなのでしょうか?

本質的な結論は、仕事への評価が薬剤師の年収評価になっているのではないでしょうか。とは言え薬剤師を志す学生さんにとっては目指す職業の年収の目安は非常に重要なことですので、15年の薬局経営者の目線でリアルに解説します。

大前提として薬剤師は医療人であり、人の痛みの上に成り立って収入を得ていることを忘れてはいけません。

薬剤師 年収 高すぎの真相

薬剤師の年収に関する話題は、業界内外で頻繁に取り上げられるテーマの一つです。

特に、一部の薬剤師が年収1,500万円以上という高額な収入を得ているという情報が流布しています。

これは、特定の分野での専門性や、大手薬局や製薬会社での役職者、あるいは独立して成功した薬局のオーナーなど、特定の条件を満たす薬剤師の話です。

しかし、これを全体の平均として捉えるのは誤りです。実際の平均年収は450万円~800万円程度と言えるでしょう。

これは、日本人の平均年収が約450万円と比較しても十分に高収入であると言えます。

また、年収の上昇の背景には、薬剤師の役割の多様化や、専門的な知識を要する業務の増加など、業界の変化が影響しています。

しかし都市部の薬剤師が総じて年収が高いと言うわけでもなく、都市部には病院も薬局も地方よりたくさんあるため、利益の大小に格差があるのも事実で、高収入の薬剤師の数は地方より多くなるのは当然と言えば当然です。

薬剤師の年収が低いの嘘を解明

薬剤師の年収は低いという印象を持っている人もいますが、その背景にはいくつかの要因が考えられます。

主に、転職サイトやマスメディアが提供する情報が大きな影響を与えているとも言われています。

これらの情報源は、薬剤師の年収が低いと煽ることで、転職を促進しようとする傾向があります。しかし、実際の薬剤師の平均年収は、450万円〜800万円程度とされており、これは他の医療職種と比較しても決して低くはありません。

また、都市部での収益のある薬局や大手薬局での役職者、専門的な知識を持つ薬剤師や薬剤師過疎地域では高い年収を得ることが可能です。

このように、薬剤師の年収に関する情報は、一概に低いとは言えないのです。

私の意見としては医学部や歯学部と同様に6年大学に行ったコスパ的比較で言うなら低いとも言えますが、一般的な年収で言うなら低いとは言えないということだと思います。

薬剤師 年収1000万を達成する方法

薬剤師としての年収1000万円を目指すためには、一般的な業務だけでなく、特定の分野での専門知識や技術を磨くことが重要です。

以下は、年収1000万円を達成するための具体的なステップとアドバイスです。

  1. 専門的な資格の取得: 薬剤師としての基本的な資格だけでなく、薬剤師以外のの専門的な資格や知識を取得することで、専門性を高め、より高い報酬を得ることが可能です。つまり自分自身をブランディングすることです。例えば私を例に取って説明するなら薬剤師×認定薬剤師取得×スポーツファーマシスト取得で薬剤師としてブランディングが可能となります。更に薬局の経営コンサルティング×経営×税理×労務×Web知識×SNSマーケティング知識と様々な得意なことで自分自身のブランディングができます。
  2. 継続的な研修・セミナーへの参加: 薬の新しい知識や技術は日々進化しています。定期的に研修やセミナーに参加し、最新の情報をキャッチアップすることで、専門性を維持・向上させることができます。ただし知識を得るだけでは年収には繋がりません。重要なことはそれをどう活かすか・・です。
  3. 薬剤師過疎地での勤務を検討: 地方の病院や薬局では、都市部に比べて給与が高い傾向にあります。特に利益の出ている民間病院や利益の出ている薬局では、年収1000万円を超える薬剤師もいないわけではありません。
  4. マネジメントスキルの向上: 薬剤師としての技術や知識だけでなく、チームのリーダーシップやマネジメントのスキルも求められることが増えてきています。これらのスキルを磨くことで、上位のポジションや管理職を目指すことができ、給与もアップします。

これらのステップを踏むことで、薬剤師としての年収1000万円を達成することは不可能ではありません。

しかし、常に自己投資を怠らず、専門的な知識やスキル、自己ブランディング向上を心がけることが大切です。

薬剤師 年収2000万は現実的か?

薬剤師としての平均年収は約500万円~800万円とされています。

この数字から考えると、年収2000万円を目指すのは一般的には難しいと言えるでしょう。

しかし、特定の分野での高度な専門知識や技術を持つ薬剤師は、その価値が認められて高額な報酬を受け取ることも可能かもしれません。

また、独自のビジネスモデルや革新的なサービスを提供する薬局を経営する場合、年収が大幅にアップする可能性も考えられます。しかし、これらは例外的なケースであり、一般的な薬剤師のキャリアパスとは異なるものとなります。

薬剤師 年収ランキングの実情

薬剤師の年収ランキングを詳細に検討すると、医師や歯科医師に続いて高収入のプロフェッショナルとして位置づけられています。

実際の収入は薬剤師の専門性、経験年数、勤務地域、そして働く施設の種類など多くの要因によって影響を受けます。例えば、都市部で働く薬剤師は、地方の薬剤師よりも収入は低くなる傾向があり、逆に地方の薬剤師過疎地や収益性のある薬局では収入は高くなることもあります。

また、専門的なスキルや資格を持つ薬剤師は、一般的な薬剤師よりも高い報酬を受け取ることが期待されます。

薬剤師 年収 リアルなデータとは

薬剤師の年収に関する実際のデータを詳しく分析すると、薬剤師の平均年収は約550万円で、都道府県格差があります。令和4年賃金構造基本統計調査参照

地方の薬剤師では平均年収600万円の都道府県もある一方で、首都圏では550万円程度です。一概に地方>都市部とはいいきれないデータが出ます。平均年齢も40歳前後で算出されている割には私はこの数字に違和感を覚えます。

薬剤師は地域によって年収の差があるものの、政府の統計データは労働者すべての平均値で算出しており薬剤師特有の女性比率が考慮されていません。

女性薬剤師は子供が大きくなるまでパート薬剤師として勤務することが多く、当然年収は下がります。他の業種に比べ薬剤師は女性比率が60%以上と高いことにより平均賃金を押し下げていることを考慮する必要があります。

令和2年度で男性薬剤師124 242人( 38.6%)女性薬剤師197 740人( 61.4%)

令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況

日本各地へ展開しているチェーン薬局などでは都市部から薬剤師過疎地へ赴任することで高収入を得ている薬剤師もいます。

薬学部の増設により都市部に薬剤師が集中することは今後は解消されるかもしれませんが、地方の人口減も伴う話ですので、薬剤師に限ったことではないかもしれません。

病院 薬剤師 給料安すぎの背景

病院での薬剤師の給料が低いという問題はこの業界ではよく耳にします。

この背景には、開業医とは異なり病院の経営の難しさが影響しています。病院の多くは地方自治体が経営する自治体病院や実質的に国が経営する独立行政法人の旧国立病院など公共性のある経営基盤となっています。  

病床が19床以下を医院(クリニック)20床以上を病院として施設の基準や要件が大きく異なります。例えば医院には薬剤師の配置は不要ですが病院には必要となります。

つまり利益優先の民間病院がやらない不採算なことも公立病院は引き受けています。よって収益は悪化し勤務する医療人の年収にも影響すると思われます。

また公立病院は公務員であり公務員の給与水準をベースとしていることも一因にあるでしょう。

実際病院に勤務する薬剤師の友人などの生の声を聞くと、薬局業界よりも低い傾向はありますし、結婚後に収入の低さから薬局へ転職する薬剤師も一定数存在します。

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薬剤師の年収に関する都市伝説と真実

多くの都市伝説や誤解が薬剤師の年収に関して存在します。しかし、真実はどうなのでしょうか?

薬剤師の年収と地域差の関係

地域による薬剤師の年収の違いは、経済状況や医療ニーズに大きく影響されます。

都市部の薬剤師は、多くの病院や薬局が集まるエリアでの競争が激しいため、高い専門性やスキルが求められ、それに伴い高収入を得ることが期待されます。一方では薬剤師数は地方より多く、薬剤師の人口比率も高い傾向にあります。

具体的には、都市部の平均年収は550万円程度となっています。一方、地方の薬剤師は、地域医療の支えとしての役割が強く、多様な業務を担当することが多く、薬剤師の過疎地域では年収700万以上も現実としてあります。

調剤報酬は日本全国一律で地域格差は基本的にありません。不動産の賃料が高い首都圏は経費の面では不利になりますが、その分人口密度は高いので収益に格差も生まれやすくなります。

需要と供給による年収の変動

薬剤師の年収は、市場の需要と供給のバランスに大きく影響を受けます。都市部では薬剤師の数が多く、競争が激しいため新卒年収は約400〜500万円となっています。

一方、地方や薬剤師が不足している地域では、新卒年収が600万円以上となることも珍しくありません。

このような地域では、医療機関や薬局が薬剤師を確保するために高額な給与を提供する傾向があります。

しかし、年収は経験やスキル、勤務地や職場の環境など、多くの要因によって変動するため、一概に言うことはできません。

また薬局の求人数と病院の求人数を比較すれば病院の求人数の方が少なく、病院勤務を希望する薬剤師も多いことから需要と供給のバランスにより病院薬剤師の年収は低くなる傾向はあります。

薬剤師社長

収入を決める要因の一つが需要と供給です。
病院も薬局も薬剤師がいなければ業が成り立ちませんからね

700万以上の年収を持つ薬剤師の実態

年収700万円以上を持つ薬剤師は、業界内での需要の高まりや、専門的なスキルの習得によって増加しています。

特に、都市部の民間病院病院勤務や、特定の専門分野における経験が豊富な薬剤師は、この収入のハードルを超えることは珍しくありません。

その一方で、地方都市や田舎では、この収入を達成するのは難しい場合もありますが、専門的な資格や研修を受けることで、高収入を目指すことが可能です。

また、薬剤師の中には、自らの薬局を開業することで、さらに収入を増やす方向を選ぶ人もいます。

転職サイトの煽りと現実のギャップ

転職サイトにおける情報は、薬剤師の年収が低いという印象を与えることがあります。

一部のサイトでは500万円程度と低く表示されるケースが散見されます。

このような情報操作は、薬剤師たちに不安を感じさせ、転職を検討させる狙いがあると考えられます。

しかし、実際には多くの薬剤師が平均的な収入を上回る給与を得ており、転職サイトの情報だけに偏った判断をすることは適切ではありません。

薬剤師としてのキャリアを考える際には、多角的な情報収集と冷静な判断が求められます。

個人の能力と年収の相関関係

薬剤師の年収は、その人の能力や経験によって大きく変動することが一般的です。

専門的な知識やスキルを持つ薬剤師は、平均的な薬剤師よりも高収入を得ることができると言われています。例えば、特定の疾患領域における治療法や薬物治療の専門家としての知識を持つ薬剤師は、その専門性を活かして高額な報酬を受け取ることが可能です。

また、経験年数が増えるにつれて、薬剤師の年収も上昇する傾向があります。

新卒の薬剤師と比べ、10年以上の経験を持つ薬剤師は、その経験と知識を活かして、より高い年収を得ることが期待されます。しかし、能力や経験だけでなく、勤務地や勤務形態、所属する施設の種類なども年収に影響を与える要因となります。

総じて、薬剤師の年収は多岐にわたる要因によって決まるため、一概には言えませんが、専門的な知識や経験を積むことで、より高い収入を目指すことができるでしょう。

個人の能力と年収の相関関係

薬剤師の年収には、その人の能力や経験が大きく影響します。

特に、専門的な知識やスキルを持つ薬剤師は、平均的な薬剤師よりも高収入を得ることが一般的です。

例えば、特定の疾患領域における治療法や新しい薬の知識を持つ薬剤師は、その専門性を活かしてクリニックや病院での役職や責任の範囲が広がり、それに伴い年収も上昇する傾向があります。

また、経験年数が増えると、その薬剤師の持つ知識や技術、人間関係のネットワークなどが豊富になり、これも年収の向上に寄与します。しかし、経験だけでなく、継続的な学びや資格取得などの努力も、年収アップの鍵となる要素です。

一方、専門的な知識やスキルを持たない薬剤師や、経験が浅い薬剤師は、年収が平均以下になることも考えられます。しかし、これは必ずしも能力や経験が低いことを意味するわけではなく、様々な要因が絡み合って年収が決まるため、一概には言えません。

総じて、薬剤師の年収は、その人の能力や経験、そして努力や学びの姿勢によって大きく変わることが確認されています。

最高で800万円の年収を持つ薬剤師の条件

私が雇用する薬剤師の中には、年収800万円以上を実現している者もいます。このような高収入を得るための条件として、以下の点が挙げられます。

  1. 専門的な知識の深化: 薬剤師としての基本的な知識だけでなく、特定の疾患や治療法に関する深い知識が求められます。例えば、がん治療薬や希少疾患薬の専門家としての知識は、高収入を得るための大きなアドバンテージとなります。
  2. 独自の営業活動: 薬局や病院だけでなく、地域の健康セミナーや講演会などでの活動を通じて、自身のブランドを築くことが重要です。これにより、多くの患者や医師からの信頼を得ることができます。
  3. 努力の評価: ただ働くだけでなく、その成果をしっかりとアピールすることが大切です。具体的には、月間の処方箋数や患者満足度などの数字を上司や経営者に報告し、自身の貢献度を可視化することが求められます。
  4. 柔軟な働き方: 高収入を目指す薬剤師は、9時から5時の固定勤務だけでなく、夜間や休日も働くことが多いです。しかし、これにより、緊急の処方箋対応や夜間診療に対応することで、追加の収入を得ることができます。

最後に、どの業種や会社でも、一律の賃金というわけではありません。売上への貢献度が高ければ、それに見合った評価と報酬を受け取ることができます。ただし、高収入を得るためには、日々の努力と継続的な学びが欠かせません。

まとめ

  • 薬剤師の年収は実際には高い人もいれば低い人もいる
  • 年収に影響する主要な要因は地域、職場の種類、経験、専門性など
  • 年収を上げるためには専門的なスキルや知識の向上が必要
  • 地域によっては薬剤師不足で年収が高くなる場合もある
  • 薬剤師の平均年収は450万円~800万円程度で、他の医療職と比較しても低くはない
  • 都市部では薬剤師の数が多く競争が激しいため、年収が低くなる傾向にある
  • 転職サイトなどは薬剤師の年収が低いと煽るが、実際はそうではない場合も多い
  • 年収1000万円以上を目指すには、専門性を高める必要がある
  • 独自のビジネスモデルやサービスを提供する薬局の経営など、特定の条件下では年収が大幅に上がる可能性もある
  • 病院で働く薬剤師の給料が低いのは、病院の経営難や公務員としての地位が影響している
  • 薬剤師の年収に関する都市伝説が多いが、真実は一概には言えないものが多い
  • 需要と供給のバランスも薬剤師の年収に大きく影響する
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