薬剤師になる為には、大学の6年制薬学部卒業が必須要件

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薬剤師になる為には大学の6年制の薬学部卒業が必須要件と聞くと長い道のりに感じますね。

この記事では、薬剤師としての道を歩むためのステップや必要な条件、そしてその役割について薬剤師歴25年の現役薬剤師社長が詳しく解説します。

薬剤師になる為には、専門的な知識や技術が求められるだけでなく、人々の健康や命を守る大切な役割も担っています。

記事のポイント
  • 薬剤師になるための基本的なステップや条件
  • 薬剤師の主な仕事内容や日常業務
  • 薬剤師としてのキャリアパスや進路の選択肢
  • 薬剤師の資格取得方法やその後の継続的な学びの重要性
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目次

薬剤師になる為のステップ

STEP
高校卒業見込み者又は既卒者

大学入試の出願資格は他の学部と同様です。

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6年制薬学部合格

6年間のカリキュラムで薬学を学びます。手を抜くと留年も珍しくはありませんので注意が必要です。

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6年制薬学部卒業

6年制薬学部を卒業又は卒業見込み者が薬剤師国家試験の受験資格に該当します。

STEP
薬剤師国家試験受験

現在は毎年2月に施行され、次回第109回薬剤師国家試験は令和6年2月16日及び17日に執り行われます。

STEP
薬剤師国家試験合格

近年の合格率は概ね70%程度ですが、年によってバラツキはあります。

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薬剤師登録

試験に合格後、都道府県に登録して薬剤師となります。処方箋を扱える薬剤師になるには各地区の厚生局へ申請して保険薬剤師になる必要があります。

薬剤師になるために必要なこと

薬剤師になるためには、ただ学ぶだけではなく、その知識を実践に移す技術や能力が求められる。まず、6年制の薬学部での厳格なカリキュラムを修了し、多くの実習や研究を経験することが必要です。

具体的には、平均して約1,800時間以上の実習を経て、薬剤師国家試験の受験資格を得ることができます。

6年制薬学部のカリキュラムはボリュームもあり、質も高くなってきおり、油断すると留年することもあるので、真面目に勉強することをおすすめします。

国家試験に合格した後も、薬剤師としての役割は多岐にわたります。医薬品の知識の自己研鑽はもちろんのこと、患者とのコミュニケーション能力、チーム医療の中での連携能力、そして最新の医療情報を常にキャッチアップする姿勢が求められます。

薬剤師としての知識や技術だけでなく、人間性やコミュニケーション能力が非常に重要です。確かに、知識だけで試験には合格できるかもしれない。

しかし、患者の心の痛みを理解し、それに対応するための感受性や共感力も、薬剤師としての資質として不可欠です。これらの要素が組み合わさった時、真の薬剤師としての役割を果たすことができるのだと日々感じています。

薬剤師社長

勉強時間も必要だけど、人の痛みをわかってあげることも大切です。
以下は小中高生がやるべきことを解説しますね

薬剤師になるには、小学生は好奇心旺盛であればそれでいい

小学生の頃から薬剤師になる夢を抱く子供たちの多くは、科学や医学に自然と興味を示す傾向があります。

実際、薬剤師を目指す学生の多くが小学生の頃から医学や科学に興味を持っていたというデータがあるそうです。

この時期に、地域の薬局や病院での職場体験に参加したり、薬剤師や医師との交流を持つことで、薬剤師という職業への理解を深めることができるでしょう。

また、自由研究などで科学実験キットを使って、身近な科学の実験を体験することもおすすめです。

もちろん、この段階での専門的な学びは必要ありません。しかし、好奇心を刺激する活動や体験を通じて、将来的に科学や医学分野への関心を高める土台を築くことが重要です。

私自身も、小学生の頃に特定の勉強をしていたわけではありません。むしろ自慢ではありませんが、全く勉強などしていませんでした。

しかし、生物に対する興味から、様々な生き物を観察したり、自然の中での探索活動を楽しんでいた。

このような好奇心が、後の薬剤師としてのキャリアを築く基盤となったのかも知れません。

小学生は好奇心旺盛で色々なことにチャレンジしましょう
勉強はするに越したことありませんが、理科に興味がある人は自分で色々ことを調べてみましょう

薬剤師になるためには、中学生はどんな準備をすればいい?

中学生の時期は、薬剤師を目指す上での基盤を築く大切な時期とも言えます。

具体的には、化学や生物学などの自然科学系の科目が増える中学生活で、これらの科目の基本的な知識をしっかりと身につけることが、後の薬学部進学において非常に役立ちます。

実際、薬学部の入試では、これらの科目の知識が問われるため、中学生の段階での基礎固めは欠かせません。小学生時代は全く勉強などしていなかった私も理科と数学は得意としていました。

とは言え満遍なく5教科の学習することを心がければいいと思います。

また、中学3年生になると進路選択の時期がやってきます。

薬剤師を目指す場合、高校進学を考える際には、理数系の科目を重点的に学べる普通科や理数科の高校を選ぶことがおすすめします。

薬学部に進学する学生の大半が理数系の科目を強化した高校出身であることから、中学生のうちから、自分の進路に合わせて適切な高校をリサーチし、入試対策を始めることで、スムーズな高校生活とその後の薬学部進学への道が開けます。

さらに、中学生のうちから薬剤師という職業に関する情報収集を始めることでも道は開けます。

地域の薬局や病院を訪れて、実際の現場を見学することで、薬剤師の仕事内容や役割についての理解を深めることができる。このような経験を通じて、自分の将来の夢や目標を明確にすることが、後の学びのモチベーションアップに繋がります。

普通科のある高校進学の準備をしましょう。
5教科を満遍なく勉強して、苦手科目を無くしましょう。

薬剤師になるには、高校では受験対策?

高校進学後、生徒たちは専門的な科学の知識を深めるチャンスを得ます。

特に、理系を選択することで、理系科目をしっかりと学ぶことが可能となります。

薬剤師を目指す場合、大学の薬学部への進学が必須です。

そのため、高校での理系選択は必須とも言えますし、同じ目標を持つ仲間もいることでしょう。

しかし、文系出身でも薬学部受験に挑戦し、成功を収めた例もあります。実際、私の知人にも文系出身で薬学部に合格した者が数名います。

私立大学の薬学部の場合、数学に微分積分や確率統計を求めない大学があり、国公立文系の大学を目指したいた人が私立薬学部を受験することは受験科目を満たしていることから、全くない話ではないのしょう。

国公立大学と私立大学では、受験科目や学費に大きな違いが存在します。

例えば、国公立大学の学費は年間約50万円、私立大学は年間約200万円となっています。このため、受験勉強は早めに開始し、目指す大学や学部に合わせた計画を立てることが重要です。

私自身、高校時代は部活や遊びに忙しく、受験勉強を後回しにしてしまった結果、1年間の予備校生活を経験しました。しかし、この1年間の経験は私の人生において大きな財産となりました。1年の遅れは、長い人生の中で大きな問題ではありません。

管理薬剤師

それは負け惜しみじゃないっすか?

薬剤師社長

やかましいわ
君も1年留年してるだる・・

理数系のクラスへ行くのが一般的です。
国公立大学を目指すなら英数国理社(理科は2科目)私立大学を目指すなら英数理(理科は1科目)が一般的ですので、早めに取り掛かりましょう。

私立大学の場合、薬学部は非常に高額な費用がかかります。
  学費だけでも200万円/年×6年=1,200万円程度は最低限必要となり、その他入学金や書籍代や通学費等が必要となります。また下宿となると更に費用がかかりますので、奨学金制度はあるとは言え高額になりますので、事前にご家族で十分に相談することが重要です。

薬剤師社長

ちなみに30年前の私の大学は年間130万円で4年間で520万円でした。
下宿していたこともあり親には迷惑をかけましたが、倍返ししましたよ

1年目薬剤師

私は奨学金を利用したのでこれから毎月返済です

薬剤師になるには、どこの大学に行けばいいの?

薬剤師を目指す学生の多くは、6年制の薬学部を選択します。4年制薬学部も存在しますが薬剤師を養成するカリキュラムにはなっておらず研究開発職を目指す国公立大学には4年生を目指す学生もいます。

この6年間の学びを通じて、医薬品の専門知識や臨床技術を習得することで卒業後、国家試験を受験し、この試験に合格することで、正式に薬剤師としての資格を得ることができます。

日本全国には多くの薬学部を持つ大学が存在しており、その中には総合大学から薬学部のみの単科大学までさまざまなタイプがあります。

  薬学部は国立大学14校、公立大学3校、私立大学55校あります(令和5年現在)

最近では薬学部の増設により各県には最低1校以上の薬学部を持つ大学が存在しています。

その一方で、薬剤師国家試験の合格率は大学によって大きく異なり、90%以上の高い合格実績を持つ大学もあれば、50%以下の合格率の大学も存在しており格差が広がりつつあります。

この合格率は、多くの学生が大学選びの際の重要な指標であるとも言えます。

学びたい専門分野やキャンパスの環境、そして合格率などのデータを基に、自分に合った大学を選択することが重要です。

私自身は、長い歴史と伝統を持つ関西の薬学部を選択しましたが、それぞれの学生には異なる価値観や目標があるため、じっくりと情報収集を行い、最適な大学を選ぶことをおすすめします。

薬剤師国家試験の受験資格が6年制薬学部を卒業することですので、薬剤師になるには薬学部一択です

社会人を経て薬剤師になる。

社会人としてのキャリアを持ちながら薬剤師を目指すのは、一般的な学生時代の進路選択とは異なるチャレンジとなります。

多くの場合、大学の薬学部への再入学を選択し、6年間の学びを経て薬剤師としての資格を目指します。

この過程で、社会人としての経験やスキルを活かし、異なる視点やアプローチで学びを深めることができます。

例えば、ビジネスの現場で培ったコミュニケーション能力や問題解決能力は、薬剤師としての業務にも大いに役立ちます。

しかし、社会人からの再学習は、時間的・経済的な負担が伴うことも事実です。そのため、十分な下調べや計画が必要となります。

実際、再入学を選択する社会人の中には、前職の経験を活かして、特定の領域での専門的な薬剤師としてのキャリアを築くことでしょう。

また、薬学部の学びを経て、さらに医学部を再受験する選択をする人もいます。

実際に私も薬剤師として仕事をして、数名ですが薬剤師医師の先生にお会いしたことがあります。

このような選択をする背景には、薬剤師と医師のダブルライセンスを持つことで、より幅広い医療分野での活躍をいう思いがあるのです。

実際、ダブルライセンスを持つことで、薬剤師としての知識と医師としての診断能力を併せ持つことができ、患者へのケアや治療においても多角的なアプローチが可能となります。

相当な努力と時間が必要となることを理解しておく必要がありますが、薬学部出身の私から見ると尊敬すべき医療人と思います。

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薬剤師の仕事とは

薬剤師の仕事内容

薬剤師の仕事は、単に医師の処方箋に基づく薬の調剤だけではありません。

実際には、患者への服薬指導を行い、薬の正しい使用方法や効果、注意点を伝える役割があります。

薬の相互作用や副作用に関する情報提供は、患者の安全を確保するための重要な業務の一つです。

薬歴の管理を通じて、患者が過去にどのような薬を使用していたのか、現在どのような薬を使用しているのかを把握し、最適な薬物治療をサポートします。

病院やクリニックの現場では、医師や看護師との連携が不可欠であり、例えば患者の治療方針の決定や薬物治療の最適化のための会議に参加し、専門的な知識を提供することが求められます。

また、近年の医療の動向として、他職種との連携強化が重要視されており、訪問看護や介護施設、ケアマネージャーとの連携を通じて、地域の医療ニーズに応える取り組みが進められています。

私自身が経営する薬局でも居宅療養管理指導をしており、日々他職種の方との連絡は頻繁にしております。

またセルフメディケーションの普及に伴い、ドラッグストアでの薬剤師の役割も増加しており、現在では約30%の薬剤師がドラッグストアでの業務を担当していると言われています。

薬剤師の役割と責任

薬剤師は、患者の安全な薬物治療をサポートする専門家としての役割を果たしています。

具体的には、年間約1,000万件以上の処方箋が発行される中で、薬剤師はその約80%を院外処方箋としてチェックし、適切な薬物療法を提案しています。

薬の効果や副作用に関する正確な情報を提供することは、薬剤師の基本的な責任であり、これにより患者の治療の質が向上します。さらに、薬剤師は医師や看護師などの医療チームの一員として、患者の治療計画の策定やフォローアップにも関与しています。

その一方で、薬剤師は患者の生活習慣や体調の変化にも注目し、薬物療法の最適化を図るためのアドバイスをすること、また最近は情報を医療機関へフィードバックすることも評価されてきています。

私自身の体験で今まで接してきた薬剤師に、この責任と役割を理解できていない薬剤師は一人もいないと自信を持って言えます。

知識やコミュニケーション能力が劣る薬剤師は残念ながら一定数いますが、責任と役割だけは理解しています。つまり免許の根拠となり誇りでもあるのです。

薬剤師の日常業務

薬剤師の日常業務は、調剤薬局や病院での薬の調剤をはじめ、患者への詳細な服薬指導や薬歴の精緻な管理が求められます。

新薬情報をキャッチアップし、それを基に薬の適正使用を促進します。

また、薬の在庫管理では、薬品在庫をチェックし、適切な数量を確保するための調整を行います。医師や看護師との情報共有においても、日常的に連絡を取り合うことで、患者の安全な治療をサポートします。

このような日常業務の中で、薬剤師は患者の健康と安全を守るための役割を果たしています。今後、これらの業務内容についての詳細な記事を執筆予定です。

薬剤師としてのキャリアパス

薬剤師のキャリアは非常に幅広く、多様な選択肢が存在します。

初めは調剤薬局での業務からスタートし、経験を積むことで店舗の管理薬剤師やマネージャーとしての役職に昇進することが一般的です。

病院や製薬会社では、特定の疾患や薬物治療に関する専門知識を活かした業務が求められ、ここでの経験はさらなるキャリアの幅を広げる要因となります。

病院では病棟の管理責任者や更には薬剤部長など、製薬会社では研究職としての道も開かれており、新しい薬の開発や治療法の研究に携わることができますし、MRとして医療機関への新薬や副作用などの情報提供者としての道もあります。

専門的な資格を取得することで、特定の領域での専門家としての地位を確立し、キャリアのさらなる飛躍が期待できます。

その一方で、私のように独立して自らの薬局を開業することも一つの選択肢としてあり、自分のビジョンを実現するためのステップとして選ばれることも少なくありません。

薬剤師の資格取得方法

薬剤師としての資格を取得するための道は明確であり、まず最初のステップとして6年制の薬学部を修了することが必要です。

卒業後、国家試験の受験資格が与えられ、この試験に合格することで薬剤師としての資格を得ることができます。

薬剤師国家試験については薬剤師法に基づき実施されます。

厚生労働省 第109回薬剤師国家試験の施行

この国家試験は年1回実施され、内容は非常に幅広く、基本的な薬学知識から臨床的な知識、法律に関する問題まで多岐にわたります。

管理薬剤師

昔は国試は年2回あったから、春の国試に落ちても秋に再受験できたんですよ

年2回は1987年までね

薬剤師社長の薬剤師免許証
薬剤師社長の薬剤師免許証

近年の合格率は約70%程度となっており、私が薬剤師国家試験を受けた30年ほど前と比較しても難易度はかなり高くなっており、知識量も増えています。決して簡単な試験ではありませんが、真面目にコツコツと積み上げていけば合格できます。

薬剤師としての継続的な学び

資格を取得した後も、薬剤師としての役割は終わりません。医薬品の新しい情報や治療法、法律の変更など、日々変わる情報をキャッチアップし、継続的な研修や学びを通じて、専門知識を常に最新のものに更新していくことが重要です。

特に、新しい医薬品の登場や治療ガイドラインの変更など、患者さんの治療に直接関わる情報のアップデートは必須となります。自己研鑽は薬剤師の義務でもあり新たな情報や知識は永久的に学ぶ必要があります。

まとめ

  • 薬剤師になるためには、6年制の薬学部を卒業する必要がある
  • 薬学を学ぶための6年間の厳格なカリキュラムと実習が必要
  • 薬剤師国家試験の受験と合格が必要
  • 合格後、都道府県に登録し、薬剤師として認定される
  • 保険薬剤師になるためには、各地区の厚生局への申請が必要
  • 薬剤師は専門知識だけでなく、コミュニケーション能力も重要
  • 常に最新の医療情報を学び続ける姿勢が求められる
  • 学生時代からの科学への興味と情熱が重要
  • 高校での理数系の科目の選択が薬学部進学に役立つ
  • 大学選択時には、薬剤師国家試験の合格率などを考慮する
  • 社会人から薬学部への再入学も一つの道
  • 薬剤師としてのキャリアは多岐にわたる
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